簿記学習の詳細ロードマップ
段階的かつ効率的に簿記を習得するための完全ガイド
このロードマップについて
このロードマップは、簿記初学者から上級者まで、段階的かつ効率的に学習を進めるための指針です。 各級ごとの学習内容、推奨期間、おすすめの教材・学習法を紹介し、あなたの簿記習得をサポートします。
3級の学習目標
日商簿記3級では、基本的な商業簿記(小規模企業の経理業務で必要とされる基本的な知識)を身につけることが目標です。具体的には、基本的な帳簿の仕組み、商品売買、現金・預金、売掛金・買掛金などの債権債務、伝票、決算などを学習します。
詳細スケジュール
詳細スケジュール(約10週間)
簿記の目的と基本概念の理解
簿記の意義・目的、簿記の種類、簿記と財務諸表の関係について学びます。
簿記の5要素と貸借対照表・損益計算書の構造
資産・負債・純資産・収益・費用の関係、会計等式、貸借対照表と損益計算書の基本構造を理解します。
仕訳の基本と勘定記入
取引の仕訳、総勘定元帳への記入方法、試算表の作成方法の基礎を学びます。
おすすめ教材

スッキリわかる 日商簿記3級
第1章〜第3章
現金・預金取引
現金取引、当座預金・普通預金取引、小口現金の記帳について学びます。
商品売買取引
三分法による商品売買の記帳、返品・値引きの処理、仕入諸掛り・販売諸掛りについて学びます。
売掛金・買掛金取引
掛け取引の仕訳、売掛金・買掛金の管理、請求書と領収書の取り扱いについて学びます。
学習のポイント
商品売買取引は特に出題頻度が高いため、返品・値引きなどの仕訳パターンを繰り返し練習し、確実に身につけましょう。
その他の債権・債務取引
貸付金・借入金、未収入金・未払金、前払金・前受金、立替金・預り金の処理について学びます。
有価証券・固定資産・貸倒れ
有価証券の購入・売却、固定資産の購入・売却、貸倒れの処理について学びます。
資本金と引出金
個人企業における資本金と引出金の処理について学びます。
学習テクニック
各取引を日常生活に置き換えてイメージすると理解しやすくなります。例えば、前払金は「家賃の前払い」、前受金は「授業料の前受け」などと考えてみましょう。
決算の意義と手続き
決算の意義と目的、決算整理事項の概要、試算表の作成について学びます。
決算整理仕訳
売上原価の算定、貸倒引当金、減価償却費、費用・収益の繰延べと見越しの処理を学びます。
精算表の作成と財務諸表
6桁精算表の作成方法、貸借対照表と損益計算書の作成方法を学びます。
つまずきやすいポイント
精算表の作成は最も難しい部分です。何度も繰り返し練習し、決算整理の流れを体で覚えましょう。
伝票の種類と作成方法
入金伝票・出金伝票・振替伝票の内容と記入方法について学びます。
仕訳帳と総勘定元帳の関係
仕訳帳と総勘定元帳の関係、転記の方法について学びます。
試算表の作成
合計試算表と残高試算表の作成方法について学びます。
試験対策ポイント
伝票問題は配点が高いわりに比較的簡単なので、確実に得点できるよう練習しておきましょう。
総復習
全範囲の総復習を行い、苦手分野を重点的に学習します。
過去問演習
過去の本試験問題を解き、時間配分や解法のコツをつかみます。
模擬試験
本番と同じ時間配分で模擬試験を解き、実力を確認します。
合格のコツ
試験直前期は新しい範囲の学習ではなく、既に学んだ内容の復習と過去問演習に時間を使いましょう。特に頻出問題は何度も解いて確実に得点できるようにすることが重要です。
会社員 田中健太さん(28歳)
3級→2級 6ヶ月で合格
「仕事をしながらの勉強でしたが、通勤時間と昼休みを活用して毎日少しずつ進めました。特に工業簿記は初めて学ぶ内容だったので苦労しましたが、基本をしっかり理解することを心がけたのが良かったと思います。」
大学生 佐藤美咲さん(22歳)
3級→2級→1級 2年で合格
「大学の会計学科に所属していたことが理解の助けになりました。特に1級は範囲が広く難しかったですが、過去問を何度も解き、出題パターンを把握することが合格につながりました。コツは毎日勉強する習慣をつけることです。」
主婦 小林由美さん(35歳)
未経験から3級 3ヶ月で合格
「簿記の知識がまったくない状態からのスタートでしたが、オンライン講座で基礎から学びました。子育てで時間が限られる中、スキマ時間を活用して勉強。特に家事の合間にスマホで動画講義を見るのが効率的でした。」
簿記の学習は、会計・財務分野でのキャリアアップや、さらに上位の専門資格への足がかりとなります。簿記1級を取得した後は、以下のような専門資格にチャレンジする道が開けています。